EVH 特集/コラム

【特集】エディの使用機材解説/アンプ・エフェクター編

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【特集】エディの歩んだ軌跡とギターを徹底解説 /エディ・ヴァン・ヘイレン

エディの音への探求心はもちろんギターのみならずアンプやエフェクターにも表れている。

しかしながら1978年に発売された1stからすでに独自のサウンドは作り上げられていたものの、いまだに彼の機材には謎が多い(特に初期)。

年代によりシステムを完全に入れ替えているためすべてを紹介することはできないのだが、ここでは後のシグネチャーモデルへとつながるアイコニックなモデルをご紹介していこう。

ギター編については以下のページにまとめているので、合わせてチェックしていただけると幸いである。

【特集】エディの歩んだ軌跡とギターを徹底解説 /エディ・ヴァン・ヘイレン
【特集】エディの歩んだ軌跡とギターを徹底解説 /エディ・ヴァン・ヘイレン

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年代別に見るエディのシステムの変化

初期(1978-)

実はエディの機材で一番謎に包まれているのがこの時代である。

初来日取材

画像:https://www.pinterest.jp/pin/506443920577029156/

エディの真似をしようとしてアンプを壊す人が続出したのはおそらくこの年代のことで、1978年の初来日を取材した日本の雑誌でもペダルボードの写真に"謎のペダルが2つ!"の見出しがつけられるほど彼の機材は謎であった。

まずは当時使用していた"ブラウンサウンド"の要であるアンプについてだ。

初期に使用されていたのは1959 100Wで、"最初に手に入れたときに爆発させてしまって修理した"というエディの発言からトランスなどは交換されているであろう。

その点以外はおそらくストックに近い状態で使用していたと思われるが、ここで登場するのがエディサウンドへの秘密道具Variac(変圧器)である。

このVariacについて当時エディは取材で"電圧をあげて使用している"と嘘をつき、信用した多数のギターキッズはアンプを破壊したようだが、実際は小さな音量でも歪みが得られるようで89Vに電圧を下げて使用していたようだ。

また2台の1959をロードボックスを使用し直列で接続していたという噂もあり、1台をオーバードライブ/プリアンプユニットとして使用することであのハイゲインサウンドは作り上げられていたという説もある。

次にエフェクターである。

Eruption等で使用される"MXR Phase90"、Ain't Talkin' 'Bout Loveで使用される"MXR Flanger"が有名であるが、そのほかにも複数のペダルがボードに組み込まれている。

まずはミッドブースト的に使用していたといわれるMXR Equalizerだが1978年の初来日を取材したライブショットでは結線されていない。

またアンプ前に鎮座するEP-3用のフットスイッチが2つある他に、ナンバリングされた2つの大きなカスタムフットスイッチが用意されている。

ケーブルの取り回しは下記の図を参考にしていただければ幸いである。

結線イラスト

Univox MC-80Aはアンプ横の爆弾型のラックに2台組み込まれており、Tone Bender形のフットスイッチ#1でコントロールされていると思われる。

肝心のシグナルパスはまずギターからMXR Equalizerに入り1台目のプリアンプ用Marshallに送られ、ロードボックスで出力を抑えた状態にしMXR Flangerに入る。

そしてPhase90のアウトからEchoplexやMC80Aに送られた信号がキャビネットにつなげられたMarshallに送られた説が有力である。

アンプの進化

エディはよりブラウンサウンドに磨きをかけるべく、自身のMarshallにモディファイを加えることを決意する。

その作業を請け負ったのが改造マーシャル製作の第一人者であるJose Arredondoである。

エディのほかにもジョン・サイクスやジェイク・E・リーをはじめ当時のそうそうたるメンツのアンプテックを引き受けていたのが彼であった。

どのような改造が施されていたかを簡単に説明すると通常の2203の前段部分にゲインブースト回路を組み込み、マスターボリュームを搭載したJCM900に比較的近いサーキットと言われている。

またエフェクトループも搭載されたため、エフェクターもEventide H300E、Roland SDE-3000、Lexicon PCM70などのラックへと変化していく。

シグネチャーアンプの登場、3Wayシステムへ

 

Peavey5150

Peavey5150 画像:https://projectevh.com/2015/10/29/peavey-5150/

1991年になるとエディの使用機材は大きな変貌を遂げる。

ギターがMusicman製のEVH Signatureに代わると同時にアンプもPeavey製のシグネチャーモデル"5150"へと変わるのだ。

Peavey5150 2

画像:https://projectevh.com/2015/10/29/peavey-5150/

ご存じの方が多いと思うが5150は出力120W、2chのアンプヘッドで、以前使用していたアンプ群よりハイゲインなのが特徴だ。

そしてこのアンプの導入とともにシグナルパスも大きく変更される。

エフェクトには以前と似たラインナップのラックエフェクトを使用しており、アンプからの信号がPalmer製Speaker Simulatorを経由しエフェクトに入る流れとなっている。

そして一番の変化は"Wet Dry Wetシステム"の導入だ。

これはキャビネットを3つ配置し、センターにエフェクトのかかってないDry音、左右にエフェクト音のみを出力することでパンニングなどを使用したエフェクトの広がりを増すと同時に、ドライ音のモニターしやすさも向上する仕組みになっている。

このシステムはデイブ・フリードマン(現Friedman CEO)によるもので、実はWay HugeやJim Dunlopでエフェクターの設計を行っているジョージ・トリップスもこの機材製作等にかかわっている。

ちなみにこのシステムを有名にしたシステム製作者はCAEのボブ・ブラッドショウで、ダン・ハフやスティーブ・ルカサーも同様のWet Dry Wetシステムを使用しているのだ。

最終章、EVHサウンドの完成形

EVH

画像:https://www.evhgear.com/support

EVHブランドを立ち上げると同時に自身でもその機材を使用するようになった。

2012年のライブショットとともにエディの近年のセッティングを追っていこう。

EVH AMP

画像:https://www.premierguitar.com/articles/Gallery_Van_Halen_Live_Gear_2012

まずはシグネチャーアンプであるEVH 5150で、エディが使用しているのは3ch構成の100Wタイプだ。

EVH AMP2

画像:https://www.premierguitar.com/articles/Gallery_Van_Halen_Live_Gear_2012

同じくEVH製4×12キャビネットがステージ上に見られ、3台がマイキングされているため"Wet Dry Wetシステム"が採用されていることがわかる。

EVH Pedal

画像:https://www.premierguitar.com/articles/Gallery_Van_Halen_Live_Gear_2012

フェイザー、フランジャー等のエフェクトはMXRとコラボした自身のシグネチャーペダルが使用されており、ディレイ(Roland SDE-300)とリバーブ(Lexicon PCM 70)のみラックマウントのエフェクトが使用されている。

EVH Rack

画像:https://www.premierguitar.com/articles/Gallery_Van_Halen_Live_Gear_2012

ディレイとリバーブは左右のWetキャビネットから出力されるようになっており、80年代末から使用されていたH&H V800パワーアンプを経由してアウトプットされている。

70年代と90年代のシステムを組み合わせたような、エディの目指したサウンドの集大成と言っても良いような構成である。

シグネチャーモデル

多少駆け足な機材変遷の紹介となってしまったが、彼の生み出した組み合わせはハードロックギターのシステムとして一つの完成形と言っても過言ではないことが感じていただけたであろう。

さて本項ではエディが開発に携わり自身でも使用していたシグネチャーアンプとペダルを相場観とともにいくつか紹介させていただく。

EVH 5150III

 

EVH 5150III

画像:https://www.evhgear.com/gear/amplifiers/head/5150iii-100s-head/2250250000

Peavey製の5150、5150IIを経て自身のブランド製品として製作されたのがこの5150 IIIである。

EQ共有のクリーン/クランチと独立したオーバードライブチャンネルが装備されており、歪みペダルを使わずにサウンドメイクするエディのスタイルにマッチした設計となっている。

またエディがライブで主に使用していた100wのほかに、50w、15wのランチボックスと使用用途に分けて複数モデル生産されているため、住宅事情や持ち運びを考えたチョイスをすることも可能であろう。

15wのLBXタイプであれば新品でも¥90,000弱、50wモデルも中古であれば¥100,000を切って手に入れることができるため、比較的手軽にブラウンサウンドを手に入れられるよき選択肢ではないだろうか。

MXR EVH 5150 Overdrive

MXR EVH 5150 Overdrive

画像: https://www.jimdunlop.com/mxr-evh-5150-overdrive/

"アンプヘッドを持ち運べない..."、"使っているアンプに+αでEVHの歪が欲しい"。

そんなプレイヤーにおすすめなのがこの5150 Overdriveだ。

真空管に特性の近いMosfetを使用したアンプライクな歪が特徴で、Boostスイッチを使用すると近年のエディのサウンドに近いゲインの高いサウンドもカバーできる。

パッシブの3バンドEQによる音作りはもちろんのこと、ハイゲイン時に気になるノイズをカットするGateも搭載している。

新品の実勢価格は¥23,000前後、中古では安ければ¥15,000ほどで入手可能となっており、EVHファンのみならずハイゲインサウンドを取り入れたいプレイヤーには非常に良い選択肢となるのではないだろうか。

MXR EVH 5150 OverdriveMXR EVH 5150 Overdriveを
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MXR EVH Phase 90

 

MXR EVH Phase 90

画像: https://www.vhnd.com/2009/02/26/sterling-ball-on-his-association-with-evh/

1stアルバムに収録されたEruptionで印象的なサウンドを作り出したPhase 90。

そのPhase90に伝説的なフランケンシュタインペイントと、Block/Scriptモード切替を装備して生まれ変わったのがこのEVH Phase 90だ。

Blockでは掛かりが濃モダンなサウンド、Scriptはややマイルドでミッドレンジに特徴のあるヴィンテージライクなトーンだ。

エディも実際にライブではこのペダルをボードに組み込んでおり、また本人以外のギタープレイヤーでも使い勝手の良さからか愛用者が多い。

新品は¥15,000程だが中古では¥10,000を切って手に入れることができるため、手頃な価格ながらハイエンドペダルにも引けを取らないペダルに仕上がっている。

最後にまとめ

この記事ではエディの年代別のセッティングと現行シグネチャーモデルを紹介させていただいた。

最後になってしまうが、エディのサウンドを再現するうえで重要なポイントをいくつか紹介していこうと思う。

まず年代によってシステムも出音は異なっているものの、基本的に歪みはアンプで作られており、もしエフェクターで再現する場合は基本的にワイドレンジなアンプライクオーバードライブを使用することをお勧めしたい。

つぎに重要なポイントはエフェクトの接続順だ。

例えば初期だったら、モジュレーションもディレイもすべて歪みよりも前、近年であったらモジュレーションは歪みの前、ディレイは後につなぐのがセオリーだ。

またエフェクト音は左右に振り、アンプシミュレーター内であったらWet Dry Wetに定位を振れたらなお良しである。

ぜひ再現の際は使用機材だけではなく、接続順や組み合わせを考慮することが完全再現への近道だ。

エディと彼のシステムに携わったすべての人への敬意を持ち、今後もギターとともにこの素晴らしいシステムが生きていくことを願いこの記事を締めくくらせていただく。

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【特集】エディの歩んだ軌跡とギターを徹底解説 /エディ・ヴァン・ヘイレン

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