Sadowsky 特集/コラム

【スペック&価格ガイド】Sadowskyの歴史と特徴を画像付きでまとめて解説

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サドウスキー解説

名だたるハイエンド・メーカーが独自のコンセプトを打ち出し競い合う昨今の楽器業界の中で、近年ではオーダー・モデルのみならず比較的リーズナブルなモデルも発表し躍進を続けている「Sadowsky Guitars」。

特にエレキベースを数多く手がけるメーカーとして高い評価を得ているが、上質なアーチトップ・ギターやエレクトリック・ナイロン・ギターを手がけるなど意外と知られていない側面も持っている。

この記事では「Sadowsky Guitars」の歴史やシリーズの特徴、さらに各モデルの価格相場にも言及し徹底的に紐解いていく。

サドウスキーの楽器をすでに愛用している方にはより深い”愛着”を感じてもらえるように、これから手にしたいとお考えの方には「Sadowsky Guitars」ならではの”魅力”を存分にお伝えできたらと思う。少々長くなるが最後までお付合い頂けたら幸いである。

「Sadowsky Guitars」の歩み

「Sadowsky Guitars」の歩み

創設者ロジャー・サドウスキー氏のキャリアのはじまり

「Sadowsky Guitars」の創設者であるロジャー・サドウスキー氏のキャリアは1970年代初頭、ニュージャージーの「LoPrinzi Guitars」にてアコースティックギターの製作に始まる。アコースティックギター製作者として木材の選定から加工技術、塗装や接着など楽器のサウンドを構成する様々な基本技術を僅か2年で習得し楽器制作者としての才能を開花させていく。

「LoPrinzi Guitars」で2年間の修行を経た後、楽器のポテンシャルを最大限に引き出す仕事をしたいとの思いから、ギターやベースをはじめ、チェロやバイオリンなどの様々な弦楽器のリペアやモデファイで高い評価を得ていたフィラデルフィアのギター修理工房「Medley Music」に移り本格的なリペア業務を始めることとなる。

ミュージシャンとの入念な意見交換を行いながら進めていくロジャー・サドウスキー氏の徹底した仕事ぶりは多くの信頼を獲得し、フィラデルフィアのギター修理工房での経験がロジャー・サドウスキー氏の「現場で通用するワーク・ミュージシャンのための楽器」という信条へと繋がっていったのであった。

ニューヨーク出張生活を経て「Sadowsky Guitars」の誕生

フィラデルフィアのクライアントであったミュージシャンのニューヨークでの成功を受け、彼のために毎週末ニューヨークへメンテナンスに出かける生活を送ることになる。このニューヨーク出張生活で様々なミュージシャンとの交流を持ち、「ロジャーに楽器を預ければ魔法を掛けてくれる」とその名が徐々に知れ渡っていく。

フィラデルフィアを拠点にしながらもニューヨークからの持ち込みが日を追って増す中でロジャー・サドウスキー氏はニューヨーク行きを決意する。そして満を持して、1979年にマンハッタンのマディソンアベニュー33番地に自身の工房「Sadowsky Guitars」を起ち上げるに至るのであった。

時代を席巻することになるニューヨークサウンドの誕生

時代を席巻することになるニューヨークサウンドの誕生

1970年代が終わりを告げ、ジャズ、ブルース、R&B、ロックなど多種多用なサウンドがクロスオーバーされ、時代の音楽シーンも大きな変革を遂げようとする1980年代に突入する。

そんな時代背景の中、ロジャーは若干17歳にして頭角を現していたマーカス・ミラーと運命的な出会いを果たすこととなる。

マーカスは自身の所有する1977年製のフェンダー・ジャズベースをロジャーに預け “Do whatever you can to make this the best bass it can be”(このベースを最高のものにするために、出来る限りのことをしてくれ)と依頼する。

バルトリーニTCTアクティブ・サーキットが搭載されたこのジャズベースの誕生は同時に新たな音楽シーンの誕生を意味していた。時代を席巻することになるニューヨークサウンドの幕開けである。

マイルス・デイビス、デビット・サンボーン、チャカ・カーン、ブレッカー・ブラザーズ、ルーサー・ヴァンドロス、アル・ジャロウ…。

マーカス・ミラーが錚々たる面々のバックで奏でた極上のベース・トーンのほとんどすべては、ロジャーの手によってモデファイされた1977年製のフェンダー・ジャズベースから放たれている。ニューヨークの土壌が生んだ、ざらつくようなスモーキー・サウンドにプラスされるマーカスの洗練されたハイファイ・サウンドは他のミュージシャンの間でも話題となり、自ずとその使用する楽器にも注目が集まっていった。

音楽シーンをリードするポップ・スター達の楽器を製作

マーカス・ミラーのベースをモデファイした2年後の1982年にサイモン&ガーファンクルのポール・サイモンのギターを製作、更にその2年後の1984年にはPrinceのパープルレイン・ツアーのために6本のギターを製作し、ポップ・スター達の楽器を製作という大きな仕事をやり遂げる。

その後も「Sadowsky Guitars」から生み出される楽器はジャンルを問わず多くのプレイヤーに支持された。

スティーリーダンのウォルター・ベッカーや、ローリング・ストーンズのベーシストであるダリル・ジョーンズ、メタリカのビートを支えたジェイソン・ニューステッド、長きに渡りトップ・セッション・ベーシストとして君臨するウィル・リー、若くしてチック・コリアやジェフ・ベックら大御所と共演を果たした天才女流ベーシストのタル・ウィルケンフェルド…、

ジム・ホール、パット・メセニー、リー・リトナー

そしてジャズ界に目を向けるとジム・ホール、パット・メセニー、リー・リトナーらがサドウスキーのアーチトップ・ギターやエレクトリック・ナイロン・ギターを駆使しその技巧を余すことなく発揮した。

変わることのない徹底した現場主義

変わることのない徹底した現場主義

若き日にロジャー・サドウスキー氏が抱いた「現場で通用するワーク・ミュージシャンのための楽器」という信条は現在でも変わることなく一貫している。

そして後年のインタビューで語られた「自身の一番の師匠はオンリー・ワンの楽器を共に作り上げたミュージシャンである」との言葉にはロジャー・サドウスキー氏の徹底した現場主義へのが思いが込められている。

こだわりのオリジナルパーツがサドウスキー・サウンドを決定付ける

ノイズの無いクリアなピックアップ

ノイズの無いクリアなピックアップ

ピックアップはその楽器の持つ音響特性を引き出すための最も重要な役割を担うパーツである。現在サドウスキーの楽器に搭載されるピックアップはディマジオ社と共同開発した自社のこだわりが詰め込まれたオリジナルピックアップが搭載される。(ナイロンギターモデルのみBarbera製ピックアップが搭載)過去にはディマジオ社以外にもセイモア・ダンカン社やローラー社などとも開発を行っている。

現代のミュージックシーンではノイズの無いクリアなサウンドを求められるが、サドウスキーの楽器はそんなニーズにしっかりと応えるように設計されている。

ハムキャンセリング・シングルコイル

ギター、ベースのハムキャンセリング・シングルコイルにはハムノイズを打ち消すための逆巻コイルが仕込まれる。他社の多くのハムキャンセリング・シングルコイルに見られる縦に積むスタック式ではなく”side by side”方式(並列)にすることによりシングルコイル特有のエッジの効いた高域をしっかり残しつつもノイズレス化を実現しているのが特徴である。

ヴィンテージ・ピックアップ

ユーザーの中にはハムキャンセリングのなされていないクラシカルなサウンドを好む方も多いことだろう。もちろんそんなニーズに応えるためのピックアップも用意されている。

往年のギブソンやフェンダーのヴィンテージ・ピックアップの特性を分析し、従来と同じ手法で製造されるサドウスキーオリジナルのヴィンテージ・ピックアップは出力バランスにまで配慮され、温かみのあるクラシックトーンを再現するための徹底的なキャリブレーション・マッチングがなされているのが特徴だ。

多彩なサウンドメイクを可能とするプリアンプ

 

多彩なサウンドメイクを可能とするプリアンプ

 

サドウスキー・サウンドの要は多彩なサウンドメイクを可能とするプリアンプにあると言っても過言ではない。

元来サドウスキーは他社製の各パーツをオーダーに沿って組み込みを行うコンポーネント・ギター・メーカーとしてキャリアをスタートしており、リペアやモデファイ、指板やフレット周りの緻密なセットアップや電装系のノイズ処理、プリアンプの増設による既存の楽器のポテンシャルをフルに引き出すことに定評があった。

サドウスキーが世に広く認知されるきっかけとなったマーカス・ミラーのフェンダー・ジャズベースにはバルトリーニ製のTCTアクティブ・サーキットが搭載されていたのは周知の事実であろう。

近年ではプリアンプも自社で開発したオリジナルのものを採用しており、先述のオリジナルピックアップと相まって、ノイズ処理のなされたクリアでパワフルなサウンドがサドウスキーの最大の持ち味となっている。

ニューヨークのワーク・ミュージシャンは1本の楽器で様々な現場を掛け持ちするのが常のようだが、どのような現場においても安定したサウンドを得られるサドウスキー・サウンドはそのようなワーク・ミュージシャンのニーズに応えるように進化をし続けてきたのだ。

ギター・プリアンプ

サドウスキーのギターに搭載されるプリアンプはミニスイッチによってバイパス/ミッドブースト/ミッドブースト+ゲインブーストをセレクトできるようになっている。ミッドブーストはコントロール部中央のToneノブで調節し、ゲインブーストのレベル量はバックパネル内のトリムによって可能だ。

サドウスキー ギター プリアンプ

ベース・プリアンプ

サドウスキーのベースに搭載されるプリアンプはベース/40Hz-トレブル/4KHzにピークを持っている2バンドEQが基本仕様となる。

ジャズベスタイルを踏襲した「J-Bass」のコントロール部はマスターボリューム/ピックアップバランサー/パッシブ・トーン/スタック式・2バンドEQブーストと通常のジャズベースとは異なりボリューム調節がひとつのノブで調整可能だ。プレベスタイルである1ピックアップ仕様の「P-Bass」ではピックアップバランサーの無い3ノブとなる。

サドウスキー ベース プリアンプ

パッシブ・トーンを上に引っ張るとプリアンプがバイパスされパッシブ状態になる。2バンドEQはブーストのみでカットは行えず、各帯域のカーブはロジャー・サドウスキー氏が考える最良のカーブで変化していくためパワフルながらも嫌味の無い自然な効き具合が最大の特徴である。また、ベースとトレブルを同時にブーストするとミドルがなだらかにカットされていくため、スラップ奏法時では美味しい部分がストンと抜けてくるのでなんとも楽しくなってしまうことだろう。

Will Leeミッドブースト

ウィル・リー・モデルには上述の2バンドEQとウィル・リーとの共同開発で生まれたWill Leeミッドブーストが搭載され、コントロールパネルのミニスイッチによってオン/オフが可能だ。

Will Leeミッドブーストの細かなレベル調整はバックパネル部にて行う。

サドウスキー ベース Will Leeミッドブースト

ミドル周波数は①500Hz/Narrow、②500Hz/Wide、③800Hz/Narrow、④800Hz/Wideの4タイプから選択できる。Narrowではブーストされる可変帯域が狭く鋭いカーブになり、Wideでは広く緩やかなカーブになる。少しイメージし辛いと思われるが、聴覚上ではNarrowでは鋭くエッジのあるアタック感が得られ、Wideでは図太いゴリっとしたアタック感となる。ちなみにウィル・リー本人は②500Hz/Wideに設定している。

サドウスキー ベース Will Leeミッドブースト

バックパネル部の2つのトリマーにてA.ブースト量、B.ミッドブースト時のボリューム調整が可能。演奏時ではコントロールパネルのミニスイッチよるオン/オフしか操作はできないだろうから、入念に音作りをしておくことが肝心だ。ここぞという時のソロプレイやバンドサウンドが盛り上がってピークに行った時にもうひと越え欲しい場面などに威力を発揮することだろう。

圧倒的なプレイアビリティを可能とする各マテリアル

ピックアップやプリアンプの他にもサドウスキーならではの工夫が随所に散りばめられている。

サドウスキーの楽器を持つと軽量さと絶妙なフィット感に驚かされることだろう。そして更に驚きなのは軽量なギターやベースによく起きがちなヘッド落ちがしないところ。軽量ながらも重心を整えることにより全体のバランスを落ち着かせているのだ。

 

サドウスキー ヘッド

ヘッド部に目を向けるとフェンダーのものと比べるとやや肉厚に削り出されており、これはデットポジション解消のための処理である。またベースにはネック反り対策のためにトラスロッドの両サイドにカーボンが仕込まれる。

サドウスキー パーツ

軽量で正確なチューニングシステムや重厚感のあるブリッジ部にもサドウスキーによるオリジナルパーツが使用されており、先述したヘッド落ちの起きない重量バランスへの工夫が見て取れる。ある程度重量のあるブリッジは安定した弦振動を生み出すためサステインの向上にも一役買っていることだろう。

「Sadowsky Guitars」構成する5つのラインナップ

現在のサドウスキーのラインナップは本国アメリカで生産される「Sadowsky NYC」と日本にて製作される「Sadowsky TYO」、「Sadowsky Arthtop」、「Sadowsky Metroline」、「Sadowsky Metroline Express」の5つのラインナップで構成されている。

この章では各ラインナップの概要と特徴を紐解いていこう。

Sadowsky NYC

木材やピックアップレイアウト、カラーや各ハードウェア類の細かなオーダーに対応しており、まさに自分好みの至極の1本に仕上げることができる。

Sadowsky NYC オーダーシート

オカダインターナショナルの公式サイトからダウンロード可能)

「Sadowsky NYC」は受注生産が基本だが、ショップオーダー・モデルなどは新品でも出回っている。オーダーはSadowskyの公式ウェブサイトから行えるが、正規代理店であるオカダインターナショナルでも行うことができる。

ギター

Sadowsky NYC ギター

(左上S-Style Vintage、右上S-Style Standard、左下T-Style Vintage、右下T-Style Standard)

Sadowsky NYCのギターはフェンダーのストラトキャスター型の「S-Style」とテレキャスター型の「T-Style」に大別され、さらに伝統的な外観をもつ「Vintage」とフィギュアードメイプルボディトップ/ピックガード無しとモダンなルックスの「Standard」に分類される。

Sadowsky NYC ギター

(左エレクトリック・ナイロン、右スプルースコア)

オーダー・モデルの他にもスペックが固定されたエレクトリック・ナイロンとスプルースコアが用意されている。

ベース

Sadowsky NYC ベース

(左上J-Bass Vintage、右上J-Bass Standard、左下J-Bass ディンキーボディ、右下P-Bass Vintage)

Sadowsky NYCのベースもギター同様にフェンダー・スタイルを踏襲しており、ジャズベース型の「J-Bass」とプレシジョンベース型の「P-Bass」に大別される。

「J-Bass」ではピックガード有りの「Vintage」とピックガード無しの「Standard」の2タイプが用意され、フレット数に応じて若干スリムなディンキーボディが採用されており、4弦or5弦、ピックアップレイアウトなど細かなオーダーが可能だ。「P-Bass」は伝統的なフルサイズボディに20フレット仕様となる。

Sadowsky NYC ベース

(左上Singlecut、右上Deluxe Satinシリーズ、下ウィル・リー・モデル)

さらにオリジナル・ボディシェイプである「Singlecut」、生産工程を見直しコストダウンがなされた「Deluxe Satin」シリーズ、ウィル・リーやヴァーダイン・ホワイトなどの各アーティストの仕様を反映させたシグネイチャー・モデルもラインナップされている。

【価格ガイド】Sadowsky NYC ギター/ベースの各モデルの相場は下記ページにて公開中。

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Sadowsky TYO

ロジャー・サドウスキー氏に師事しSadowsky NYCのビルダーとしてその腕を磨いた菊池嘉幸氏とSadowsky NYCの国内正規代理店であるオカダインターナショナルよって起ち上げられた国産ブランドが「Sadowsky TYO」である。

Sadowsky TYO オーダーシート

オカダインターナショナルの公式サイトからダウンロード可能)

NYC同様にオーダー式の受注生産により製作され、菊池嘉幸氏の徹底的な監修の元でこだわりの1本に仕上げることができる。

現在「Sadowsky TYO」ではベースのみラインナップされている。

Sadowsky TYO ベース

(左右上Classic Edge、左下Modern Edge、右下ウィル・リー・モデル)

フェンダーの伝統的なプレベ/ジャズベのスタイルを持つ「Classic Edge」、ジャズベース型のディンキーボディを採用した「Modern Edge」、ウィル・リーのために開発されたミッドブースト付きアクティブサーキットを備えた「Will Lee Model」を基本スペックに木材構成や各マテリアル、カラーなどの細かなオーダーが可能。

基本的には受注生産だが、Sadowsky NYC同様ショップオーダー・モデルとして新品でも出回っている。

【価格ガイド】Sadowsky TYO ベースの各モデルの相場は下記ページにて公開中。

Sadowsky TYO
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Sadowsky Arthtop

ロジャー・サドウスキー氏の監修の元、オカダインターナショナルとSadowsky TYOのチーフルシアーである菊池嘉幸氏によって起ち上げられた「Sadowsky Arthtop」シリーズ。

Sadowsky Arthtop

国内の有力工房である寺田楽器にてボディ/ネック/塗装までを製造し、菊池嘉幸氏の元で最終セットアップがされる。

サドウスキーと言えばベースのイメージが最も強いだろうが、ジム・ホール、ラッセル・マローン、ジミー・ブルーノをはじめとした海外の著名ギタリスト愛用されていることからもそのクオリティは保証されている。

「Sadowsky Arthtop」シリーズには発足するまでに面白いエピソードがあるので紹介しよう。

そもそも「Sadowsky Arthtop」シリーズはロジャー・サドウスキー氏がジャズ界の大御所であった故ジム・ホール氏のギターを作る目的で始まる。

プロジェクトが始まった当初はボディ削り出しのサンプルをいくつか製作したようだが、ジム・ホール氏の好むサウンドは合板ボディによって得られることが判明する。しかしSadowsky NYCの設備ではボディ部の合板を製作するための曲げ型が作れなかったため、Sadowsky TYOのチーフルシアーである菊池氏の元へ話が行くのである。

その後に紆余曲折あり国内で確かな技術を持った工場を見つけ出し、そこで製作された合板のサンプルをジム・ホール氏が大変気に入ったためそのまま国内で生産しようとなったようだ。

「Sadowsky Arthtop」は名だたるギタリストが使用することから本国アメリカで生産されていると思われがちだが、日本の職人たちの試行錯誤と努力によって大御所のお墨付きを獲得した”純国産”のギターなのである。

【価格ガイド】Sadowsky Archtopの各モデルの相場は下記ページにて公開中。

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Sadowsky Metroline

サドウスキーの世界戦略モデルとして位置付けされる「Sadowsky Metroline」シリーズは長年の受注生産のノウハウを基にプレイヤーの求めるスペックを固定化し、生産効率を高めることによりコストを抑えたシリーズとなっている。

ロジャー・サドウスキー氏の信念である「現場で通用するワーク・ミュージシャンのための楽器」を研究し続けたからこそ完成されたグローバルモデルだ。

Sadowsky Metroline ベース

(ラインナップはJ-Bass/P-BassなどSadowsky NYCのラインナップを踏襲している)

「Sadowsky Metroline」シリーズはSadowsky NYCでラインナップされているベースの基本的なモデルがすべてラインアップされており、更に搭載されているピックアップ、プリアンプ、ブリッジなど、Sadowsky NYCと同じパーツが使用されている。

Sadowsky TYOのチーフルシアーである菊池嘉幸氏の監修の元、木材の選定や切り出し、組み込みや塗装などの各工程は菊池氏が”達人”と惚れ込む各分野の熟練された職人たちの手によって行われる。そのため一般的なOEM生産とは異なる生産過程を辿っているのが特徴だ。

【価格ガイド】Sadowsky Metroline ギター/ベースの各モデルの相場は下記ページにて公開中。

Sadowsky Metroline 価格ガイド
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Sadowsky Metroline Express

サドウスキー日本上陸30周年にあたる2017年に、ハイコストパフォーマンス・シリーズとして新たに生まれたのが「Sadowsky Metroline Express」シリーズである。

Sadowsky Metroline Express ベース

(左RV、右MV)

プレイヤーの求めるスペックを固定化した「Sadowsky Metroline」シリーズの成功を受け、日本の国内工場による一元生産を実現し量産化と低価格化が図られている。ラインナップは「Sadowsky Metroline」シリーズでも展開されている人気と実用性を備えた「RV」と「MV」モデルの各4弦、5弦モデルに絞られており、量産化を図りつつも手を広げすぎないところがサドウスキーらしいと言える。

ボディシェイプや電装系統などの基本スペックはメトロラインに準じてはいるが、やはり違いはあるようだ。「RV」モデルはメトロラインでは指板材にローズウッドが用いられるが、エクスプレスではローズウッドの代替材として近年ではよく見かけるようになったパーフェローが用いられている。その背景にはローズウッド材の希少性が上がっていることが事情にありそうだ。細かい点を挙げるとチューニングシステムも異なっており、エクスプレスではサドウスキー・オリジナル・チューナーではなく、ヒップショット製のものが装備されている。

OEM生産のハイコストパフォーマンス・シリーズではあるが、電装系はNYCと同じピックアップやプリアンプが搭載されているため往年のサドウスキーサウンドを損なうようなことはないだろう。上記ではメトロラインとの違いを述べたが、むしろそれだけの違いにとどめている企業努力には恐れ入る。ロジャー・サドウスキー氏のメイドインジャパンに対する信頼度は相当なものなようで、「Sadowsky Metroline Express」シリーズは本国アメリカでも高い評価を得ている。

【価格ガイド】Sadowsky Metroline Express RV/MVの相場は下記ページにて公開中。

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それぞれのシリーズに明確な違いはあるのか?

筆者が楽器販売会社に勤めていた頃に「NYC」「TYO」「Metroline」「Metroline Express」の明確な違いはあるのかという質問を多く受けた。主観ではあるがその部分にも触れておこうと思う。

サドウスキー・サウンドを構築する上で最も重要な要素とは?

まずボディ構造なのだが、これは明確に違いがある。ロジャー・サドウスキー氏は重量にとても厳しく軽量な楽器が良いとする信念を持っていることから「NYC」ではチェンバー加工を施し重量調整のされたボディ材が使用される。チェンバー加工を施すと若干ではあるがセミアコ構造のような特性が備わり、サウンドに反響感が生まれるためボディの持つトーンや表情は引き出しやすいという傾向がある。

その反面、「TYO」「Metroline」「Metroline Express」はソリッドのボディ材が使用されているのだ。軽量な材が選定されているため決して重量が重いわけではないが、内部をくり抜かれていない分サウンドの違いは生まれる。ソリッド構造ではずっしりとした低音感とサステインの面では優れていると言えるだろう。

「TYO」「Metroline」「Metroline Express」については正直に申し上げるとあまりサウンドの違いは感じられない。先述の通り「Metroline Express」では使用パーツが若干異なるが電装系はその他のシリーズと共通しているためサウンドの大きな変化も無い。サドウスキー・サウンドを構築する上で最も重要な要素はピックアップとプリアンプと筆者は捉えている。

安心して長く使い続けられる楽器

組み込みの行程や最終的な追い込みや検品チェックを”誰が”行うかは、その楽器を使い続けた後の経年変化に関わってくるだろう。「NYC」ではもちろんロジャー・サドウスキー氏が、「TYO」では菊池嘉幸氏が行っている。「Metroline」は最終チェックのみ菊池嘉幸氏が行っている。「Metroline Express」に関しては明言はされていないが、OEM生産のためおそらく工場内で最終チェックまで行っていると思われる。

組み込みの行程や最終的な追い込みや検品チェックは数値だけでは表せないその人なりのクセやこだわりが大きく反映されるはずだ。リペアやモデファイを数多く手がけてきたロジャー・サドウスキー氏や菊池嘉幸氏にはそれまでの経験で”こうした方が良い”という細やかなロジックを必ず持っているはずである。

現にロジャー・サドウスキー氏や菊池嘉幸氏は使用している木材の組み合わせや演奏される環境(アメリカと日本では温度や湿度がまるで違う)、長年使用した後の経年変化も考慮に入れ組み込みを行っていると語っている。楽器にとって安心して長く使い続けられることはサウンドと同じくらい重要な要素だと筆者は捉えている。

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参照サイト オカダインターナショナル公式サイト  サドウスキー公式サイト

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