YAMAHA 特集/コラム

【特集】YAMAHAギターの歴史と特徴を画像付きでまとめて解説

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【スペック&価格ガイド】YAMAHAギターの歴史と特徴を画像付きでまとめて解説

人生で初めて触れた楽器を憶えているだろうか?

保育園の鍵盤ハーモニカ、小学校の音楽室にあった木琴やオルガン、吹奏楽部の管楽器や習い事のエレクトーンや押し入れのフォークギター。

そう、これらすべての製作に携わっているのが今回ご紹介させていただくYamahaである。日本で暮らしている限り一度もYamahaの楽器に触れない人は限りなく少ないはずだ。

どちらかといえばクラシック楽器や鍵盤楽器のイメージが強いブランドではあるが、当然ながらエレキギターにも名機が多い。

今回はそんな日本発、世界最大規模の総合楽器ブランドのYamahaについて徹底解明。Yamahaの楽器制作の歴史やメインモデル、さらには価格相場感なども合わせて言及していく。少々長くなるが最後までお付き合いいただけたら幸いである。

Yamahaの歩み

Yamahaの歩み

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山葉風琴製造所

山葉風琴製造所

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ヤマハの源流は1887年、創業者である山葉寅楠が浜松尋常小学校でオルガンを修理したことをきっかけに始まる。翌年1888年には浜松で日本最初の本格的オルガンの製造に成功し、さらに2年後には合資会社山葉風琴製造所を立ち上げた。

その後数回の出資引き揚げや改組の後、1897年に資本金10万円(現在のレートに置き換えると約3億8,000万円)を元手に日本楽器製造株式会社へと生まれ変わるのだ。

戦中から戦後、軍需産業の担い手として

大正から昭和初期にかけて、Yamahaも世界大戦の影響を受けることとなる。

1921年に帝国陸軍の要請により軍用航空機の木製プロペラの製造、1931年には金属製プロペラの製造を開始。その渦中に野田醤油労働争議を含む労働運動の波により105日間のストライキや役員宅の爆破事件などが引き起こされ、釧路工場を売却するなどの大打撃を食らうも住友財閥の支援もあり1930年には経営が好転する。

1935年にはYamaha初の電気楽器であるマグナオルガンを開発するも、戦時の雰囲気の強まった1938年には陸軍管理下の軍需工場となり戦闘機や偵察機のプロペラ生産へと移行、1944年には楽器類の生産を完全に休止せざるを得なくなったのである。

音楽教育事業の始まりとギターの製造開始

1945年7月、浜松空襲の被害を受け浜松の工場が全壊するなどの大きな被害を受けてつつ終戦を迎えたが、その2カ月後には復旧、ハーモニカやシロフォンの製造を開始、1947年にはピアノの製造を再開した。

1950年になると伝統の楽器事業を充実させ、戦後の経済復興とともに音楽を手始めに生活に彩りを加えることを目指した。

1954年には日本の住宅環境を考慮しヤマハ銀座ビルにて音楽教室を開始、1959年には音量調節が可能なエレクトーンD-1を開発するのだ。

そして1966年、ついにYAMAHA初のフォークギターFG-180とエレキギターSG-3、SG-2が日の目を見ることとなる。

この頃のSGはジャズマスターのようなオフセットボディが特徴

※3(この頃のSGはジャズマスターのようなオフセットボディが特徴)

どちらも海外製品の模倣ではなく、日本人の体形に合わせスマートなボディが採用されたSG-3とSG-20、FG-180に関しては人間工学に基づき製造された先進的なプロジェクトであったのである。

さらなる飛躍とシンセサイザー革命

1970年代後半に入るとクロスオーバー/フュージョンブームとなった日本で名機SG200(海外輸出でのモデル名はSBG200)が誕生、野呂一生や高中正義など数々のアーティストがヤマハ製品を手にステージに上るようになる。

70年代以降、現代のSGと近い形状となる

※4(70年代以降、現代のSGと近い形状となる)

1980年代に入るとエレクトーンの生産による技術を応用しICを利用した製品を多数生産し、ローランドなど5社で共通規格であるMIDIを製作、またデジタルシンセサイザーの名機DX7などミュージックシーンを彩る名機が多く生まれることとなるのだ。

その後バブルの崩壊や不況の波による不振が続くも、2005年にドイツのソフトウェア会社Steinberg、2008年に老舗ピアノメーカーのベーゼンドルファーを買収するなど時代に合わせた製品の開発に取り組んでいるのである。

信頼度の高いYamahaクオリティ

1800年代から200年以上も続くYamahaの歴史を見てもわかるようにすべてのYamahaの製品には現在に至るまで積み上げられてきた経験と知恵が詰め込まれている。

国内外問わずであるがFender、Gibson、そしてハイエンドブランド等の楽器を使用してきたのちに晩年にはYamaha製の楽器をメインにするギタリストが非常に多いことからやはり楽器に対する信頼度の高さがうかがえる。

ここからは現代にまで脈々と引き継がれてきたYamahaの代表機種たちの特徴やスペックなどを紹介していくことにしよう。

Pacifica Series

Pacifica Series

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まず最初に紹介させていただくのは1990年に"グローバルな発想でギターを開発する"という思想の元製作されたPacificaモデル。

PacificaはYamahaギターとしては初めてアメリカ部署YGDにて企画開発されたプロジェクトで、発売以来30年にわたりプロ/アマ問わず使用されている定番機種である。

ストラトに近い形状ながらディンキーより深いコンターやカッタウェイが採用されたディンキーシェイプのボディー、薄く平らなネックグリップが特徴となっており、現行機種ではフレイムトップのPAC600シリーズ、つぶしカラーのPAC300シリーズなど6つのシリーズが用意されている。

(Pacifica600シリーズ/300シリーズ)

※6(Pacifica600シリーズ/300シリーズ)

またピックアップレイアウトやハードテイル、Wilkinsonトレムブリッジを搭載したモデルなど多彩なラインナップとフラッグシップのPAC600シリーズでも実売7万円前後というコストパフォーマンスも大きな売りだ。

SG Series

(1976年に発表された名機SG2000)

※7(1976年に発表された名機SG2000)

YamahaのエレキギターといえばSG"という印象が強い方も多いのではないだろうか。

SGシリーズの発足は1966年であったが、プロ仕様のハイグレード機種を目指すべく幾多の改良が施され、1974年に発売されたSG175から現在イメージするSGシェイプへと変貌を遂げたのである。

1976年にはカルロス・サンタナとの共同開発によりTクロスメープルトップ、スルーネック構造、ブラス・サステイン・ブロックなどを採用しブラッシュアップされたSG2000が発売、"サスティンを最大に"という信念の基、今に伝わる名機が誕生したのである。

(左からSG1820/SG1802/SG1820A)

※8(左からSG1820/SG1802/SG1820A)

そして現在のSGシリーズではその伝統を受け継ぎより洗練された3機種がラインナップされている。

日本の高度な木工技術を用いたハンドメイドによるセットネック構造、アフリカンマホガニー材を採用したボディとネック、アーチドメイプルトップ仕様となっており、Seymour duncan 59を搭載したSG1820、P-90タイプを搭載したSG1802、EMG製のアクティブピックアップを搭載したSG1820Aが用意されている。

SG2000などのオリジナルモデルは中古市場で現在でも人気が高く、特にレアカラーなどに関しては現行機種よりも高い金額で流通していることも珍しくない。

やはり伝統あるモデルの人気は高いクオリティと個性に裏付けられているのであろうか。

Revstar Series

 

Revstar※9

ロンドンから派生し一世を風靡したモーターバイク"カフェレーサー"から着想を得たREVSTARモデル。

無駄がそぎ落とされながらもレトロで個性的なデザインから近年ではLee Ritenourをはじめ多数のプレイヤーに使用されているモデルである。

基本的にはSGに近いシェイプながらオフセットのダブルカッタウェイ、2ハムバッカーまたはP-90に1VolumeとToneのシンプルなコントロールレイアウトが採用されており、日本国内の工場で製造されるフラッグシップRSP20CRをはじめとした8モデルがラインナップされている。

(左からRSP20CR/RS720B/RS502T)

※10(左からRSP20CR/RS720B/RS502T)

Yamaha製品では歴史の浅いモデルではあるが、他メーカーには見られないカラーチョイスやコストパフォーマンスからロングヒットを予感させる機種だ。

L Series

L Series※11

そして最後に紹介させていただくのはアコースティックギターの代表モデルとして生産されているLシリーズだ。

Lシリーズが登場したのは1974年、Luxury(豪華)の頭文字を取りアコースティックギターのフラッグシップモデルとしてL-31が発売されるのだ。

※12(発表当時のカタログ)

Yamaha初のアコースティックギターとして1966年に発売されたFG180は人間工学に基づき設計された機種であったが、より洗練されたデザインや豪華な装飾などLuxuryの名に恥じない名機へと昇華され誕生したのである。

現在はプレイスタイルや体格に合わせた3種類のボディシェイプが用意されており、オリジナルのLL、くびれがやや深いLJ、スモールボディのLSがラインナップに名を連ねている。

(左からLL86CTM/LJ56CTM/LS56CTM)

※13(左からLL86CTM/LJ56CTM/LS56CTM)

LシリーズをはじめとするYamaha製ギターにはA.R.E. (Acoustic Resonance Enhancement)という温度、湿度、気圧を高精度に制御を使用した木材改善処理が施されており、長年引き込まれた楽器のような鳴りの良い状態で出荷されているのだ。

余談ではあるが、筆者の周りでもYamaha製のアコーステックギター使用者は非常に多く、GibsonやMartinなど良くも悪くも味のある楽器を一通り使用した後にYamahaを弾くと皆使いやすさに感動するようである。

Yamahaのラインナップ、価格による品質の差は?

伝統あるモデルからニューモデルまで高品質のモデルを数多く輩出しているYamahaであるが、一貫して驚かされるのが高い品質とは裏腹に圧倒的にコストパフォーマンスが高い点である。

PacificaやRevstar RS420など10万円を大きく下回る価格ながら多数のアーティストに使用されている。

その一方で国内生産のSG1820(希望小売価格¥350,000:税抜)やアコースティックのLシリーズLL86 Custom ARE(希望小売価格¥1,800,000:税抜)などUSAブランドカスタムショップ製ギターを上回る価格のモデルも存在する。

気になるであろう品質や音質の差であるが、低価格帯の海外生産モデルであっても他ブランド製品に比べ組み込み精度は格段に良い印象を受け、弾き心地も申し分無いためこれから楽器を始めていくプレイヤーにはこの上ない選択肢となりえる。

高価格帯のモデルになる程、細部に渡って"上質さに磨きがかかっていく"と言葉が一番正確であろうか。

国内産のモデルではフレットやネックグリップのエッジの落とし方、塗装の質感など、より丁寧に日本の職人の手によって仕上げられている。

音質に関しても同様で、素直で癖のない鳴りはコストパフォーマンスモデルでも十分に感じられ、尚且つ個体差が非常に少ないのも魅力の一つである。

上位モデルではそこにより豊かな倍音が付加される印象で特にアコースティック楽器ではピアノに通じるピッチの良さも感じられる。

どのラインナップを初めて手に取っても悪い印象を受けることのない非常に高い生産クオリティーがうかがえるのがYamahaの一番の強みと言っても過言ではないだろう。

Yamahaの価格相場感

新品時から比較的価格帯の低い設定かつ球数も多いため残念ながら買取価格も相応にリーズナブルとなってくるが、現行モデルを中古で購入すると比較的安価で良質な楽器が入手できる。

Yamahaの代表モデルであるPacifica600シリーズを例に見てみるとモデルによって希望小売価格¥68,000(税抜)〜¥76,000(税抜)の価格帯となるが中古相場では40〜50%程度の¥35,000(税抜)〜¥50,000(税抜)程度の値付けとされる。尚、大手イシバシ楽器の買取価格は¥16,000〜¥24,000で中古相場のさらに半値程度の設定となっている。

問題はフラッグシップモデルであるが、思っているより非常に低い買取価格になることが予想される。

高級機種であるSG1820を見てみると、希望小売価格¥350,000(税抜)であるが、大手イシバシ楽器の買取価格は¥36,500〜¥50,000に設定されている。対して中古相場では¥200,000を超える値付けをされるのでなかなか乖離がすごいことになっている。

理由としてはエレキの場合Gibson Custom Shop、アコギであればMartinやCollingsより国産ギターを高い値付けで売ることは非常に困難であると楽器店側は判断をすることが多く、買取価格は海外老舗ブランドよりも評価は低く見積もられてしまうのである。しかしながらしっかりと相場を把握しておくと楽器店側も買取交渉に応じてくれる確率もグッと上がるので計算高くしたたかに対応したいものである。さらに言えばこういった楽器はヤフオクやメルカリなどで時間をかけて粘り強く売却していくのが吉であろう。

売却をお考えの方には若干残念な状況ではあるが、Yamahaのモデルは総じて買い手市場の気配が強いためこれからゲットを考えている方からすると手を出しやすい価格帯で売り出されている良質な個体が見つけやすい状況と言えるだろう。

初心者から上級者まで安心して弾き倒すことが出来るYamaha楽器をこの機会に是非とも試してみてはいかがだろうか。

(価格相場は2020/4月調査)

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※1~11 画像© https://jp.yamaha.com/

参照サイト YAMAHA公式Webサイト

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